廃校の公募を探すときは、施設名だけでなく、どの段階の募集か、最初に必要な手続きは何か、いつまでに動くかを確認します。サウンディングへの参加と、事業者を選ぶ公募への応募は別の手続きです。
この記事では、2026年10月8日に公式ページを確認した6自治体の案内を整理しました。福山市の旧山野中学校は、提案書の締切が11月30日でも、必須の事前対話の申込期限は11月6日です。掛川市の2校は、事業者を選ぶ本公募ではなく、12月4日を回答希望日とするサウンディングです。
確認したのは公表資料の記載です。電話での受付確認、現地調査、個別事業の採算判定は行っていません。応募前には、リンク先の訂正情報と担当窓口で現在の受付状況を確かめてください。
更新・訂正:旧版の「全国65件」などの集計は、全体と地域別の件数が整合しないため取り下げました。今回は一次資料を確認できた案内に掲載を絞っています。全国を網羅する一覧ではなく、掲載していない地域に募集がないという意味でもありません。柳川市の施設名は「旧皿垣小学校」に訂正しました。
確認した6つの受付案内
以下の「随時」は、公式ページの受付表示です。応募・選定による停止や条件変更の可能性があるため、無期限に応募できるとは考えず、着手前に窓口へ確認します。日付は2026年です。
| 自治体・対象 | 募集の段階 | 先に押さえる期限・条件 | 次の行動 |
|---|---|---|---|
| 福山市・旧山野中学校校舎 | 施設提示型の利活用提案募集 | 事前対話申込11月6日、提案書11月30日 | 必須の対話を申し込む準備 |
| 掛川市・原田小学校/日坂小学校 | サウンディング | 調査回答希望日12月4日 | 実施要領・FAQを読み回答を整理 |
| 豊岡市・旧奈佐小学校 | 公募型プロポーザル | 随時。資格審査結果通知後2か月以内に企画提案 | 受付継続を確認し現地見学を調整 |
| 小美玉市・旧下吉影小学校 | 民間提案制度 | 随時。応募後30日間の受付を経て一定期間停止 | 現在の受付段階を担当課に確認 |
| 呉市・廃校9施設 | サウンディング | 随時 | 対象施設と実施要項を確認 |
| 上越市・廃校等7施設 | 調査終了後の提案受付 | 対話調査は終了。提案は随時受付の案内 | 資産活用課へ提案方法を問い合わせ |
気になる案件が見つかったら、応募を決める前に、事業として成立するかを確認する一次診断(無料)もご利用ください。
福山市・旧山野中学校:提案書より前に、対話の期限がある
福山市の施設提示型募集ページでは、今回の対象を旧山野中学校としています。個別説明書による貸付対象は、行政利用部分を除く校舎1階の一部と3階部分です。体育館・運動場は貸付範囲に含まれません。公共施設全般を自由に持ち込む枠とは分けて確認します。ページの更新日は2026年8月3日です。
- 提案前の対話申込:8月10日〜11月6日
- 対話の実施:8月17日〜11月27日
- 提案書の受付:9月1日〜11月30日。持参は開庁日の9〜17時、郵送は最終日の17時必着
募集要項の7〜8ページでは、提案前に所管課との対話を行うことが必須とされています。応募資格は所定の要件を満たす法人で、複数法人による共同提案も可能です。まず応募資格と対話申込書を確認し、11月30日だけを締切として予定を組まないようにします。
施設の範囲・条件は旧山野中学校の個別説明書で確認します。市に新たな財政負担を生じさせないことが原則のため、市に求める支援と自分で負担する費用を分けて対話に持ち込みます。問い合わせ先は資産活用課です。
掛川市・原田小学校/日坂小学校:12月4日は調査の回答希望日
掛川市のサウンディング案内・FAQは、回答希望日を12月4日としています。原田小は2025年3月に閉校済み、日坂小は2027年3月に閉校予定です。これは参入意向や活用アイデアを聞く調査であり、事業者の選定を行う本公募とは区別します。
- 回答方法:調査票をメール提出、またはWEBアンケートフォーム
- 個別対話:希望する場合は実施要領と対話申込書を確認
- 確認先:資産経営課。使う建物の範囲と、地域の継続利用条件を先に整理
FAQには、2027年度に対象施設を1年間借りる場合の概算として、原田小19,087,910円/年、日坂小22,825,691円/年が示されています。地域生涯学習センターなど一部を除く算定で、確定賃料ではありません。市はこの算定額での活用が難しい可能性も考慮し、貸付料の提案を求めています。
避難所・地域利用の条件、貸付料、改修や維持管理の分担を分けて確認し、どの条件なら検討できるかを回答します。提案した条件が採用される保証はありません。
豊岡市・旧奈佐小学校:土地・建物を一括で借りる公募
豊岡市の旧奈佐小学校公募ページには、随時募集の公募型プロポーザルとして掲載されています(ページ更新日2025年5月22日)。土地・建物を一括で賃貸借し、基準貸付価格を踏まえて貸付価格を提案する方式です。
- 現地見学・質問・応募申込:随時の案内
- 企画提案書:応募資格審査結果の通知後、2か月以内に提出
- 契約までの注意:仮契約後に文部科学省の処分手続きがあり、公式日程では約4か月と記載
最初に資産活用課へ受付継続と見学日程を確認します。ページ下部の実施要領で対象建物、基準貸付価格、資格・評価項目、修繕負担を確認し、開業希望日から逆算して手続きを並べます。公開ページの更新日だけで、事業者が未決定だと断定しないようにします。
小美玉市・旧下吉影小学校:随時受付には停止条件がある
小美玉市の募集ページでは、現地見学・事前相談・図面閲覧を随時受け付け、書類受付は3月23日から随時としています。ただし、応募があった場合は30日間の受付期間を設け、その後は一定期間募集を停止する運用です。ページの掲載日は2026年2月25日です。
- 最初の確認:現在は受付中か、30日間の受付期間に入っているか、停止中か
- 財産の扱い:土地は売却、建物も原則売却。条件付きの無償譲渡の扱いは募集要項で確認
- 確認先:特定プロジェクト推進課。図面閲覧と現地見学の方法も併せて確認
「随時」という表示だけで提出可能と決めず、担当課から現在の段階と必要書類を確認してから、調査や提案づくりに進みます。所在地・利用条件に応じた手続きは、公式の募集要項と関係窓口で確認してください。
呉市・廃校9施設:まず市場性を確かめる対話
呉市の廃校施設サウンディング案内には、旧渡子小学校など9施設を対象とする随時募集が掲載されています(更新日2026年4月1日)。調査で市場性があると認められた場合に、その結果を参考に売却・貸付等の公募を行う仕組みです。
最初に対象施設の一覧と実施要項を読み、管財課へ受付と対話の進め方を確認します。校舎全体を使うのか、一部を使うのか、希望用途、必要な改修、取得・賃借の希望条件をエントリーシートに沿って整理します。サウンディングへの参加だけで使用権や契約が得られるわけではありません。
上越市・7施設:調査は終了、提案は随時相談できる案内
上越市の調査結果・受付案内では、6月15日〜30日の対話調査は終了したものの、その後も提案を随時受け付けるとしています(更新日2026年7月23日)。対象は旧大島中学校、牧中学校、旧川上小学校、旧宮嶋小学校、旧寺野小学校、旧上杉小学校、旧美守小学校です。牧中学校は2027年3月末の閉校予定です。
希望者は資産活用課へ問い合わせます。ページには施設別資料と調査結果があるため、対象を一つ選び、譲渡・貸付の希望、価格、改修、事業日程、地域との関わりを整理して相談します。令和8年度中に利活用希望者を募る予定とも記載されていますが、この案内を新しい本公募の開始と読み替えないことが大切です。
過去の募集は「結果」まで読む:柳川市・旧皿垣小学校
柳川市の結果公表ページによると、旧皿垣小学校の一次審査書類の受付は1月5日〜2月27日でした。4月27日の審査では応募2者とも事業計画点が50点に届かず、不採用となり、優先交渉権者・次点者はいずれも該当なしとされています(ページ日付2026年6月12日)。
募集時の日程が残っていても、その後の結果公表まで確認します。この資料で分かるのは今回の審査結果であり、赤字、資金不足、地域との対立などが原因だったと推定する根拠にはなりません。再公募の有無も別に確認が必要です。
候補を見つけたら、5つの欄を埋める
候補施設ごとに、次の形で1枚にまとめると、次に誰へ何を聞くかが明確になります。未確認の費用を0円で埋めず、資料や回答が必要な項目として残してください。
- 手続きの段階:サウンディング、本公募、随時相談、結果公表のどれか。公式ページと確認日を記録する
- 最初の締切:現地見学、質問、事前対話、参加申込、提案書を別々に記録する。参加必須の手続きと、郵送の必着時刻を確認する
- 対象と資格:使える校舎・体育館・土地の範囲、個人・法人・共同応募の条件、必要な実績や財務資料を確認する
- 費用と契約:取得・賃料、調査・改修、維持管理、地域利用、契約期間・更新、終了時の原状回復を分ける
- 未確認事項と次の行動:質問、確認先、必要資料、回答期限を記録し、調査・見積もり・応募準備の順番を決める
記入例は福山市です。「提案前対話の申込11月6日」「対話実施11月27日まで」「提案書11月30日17時必着」を別々に置き、先に法人の応募資格と対話申込書を確認します。契約期間や工事費をまだ調べていなければ、未確認と記録し、個別説明書・担当課・建築士などに確認する事項を分けます。
文科省の一覧から探すときの確認順
文部科学省「現在活用用途を募集している廃校施設の一覧」は候補を探す入口です。同ページも、募集終了や内容変更の可能性があるため、施設を所管する自治体への確認を案内しています。
- 一覧で施設名と自治体を確認する
- 自治体の募集本文、実施要領、質問回答、訂正情報、結果公表を読む
- 日付が古い場合も新しい場合も、締切と受付停止・選定結果の記載を確かめる
- 見つからない場合は自治体のサイト内で学校名を検索し、担当課へ確認する
ページが開くこと、一覧に載っていること、現在応募できることは、それぞれ別です。リンク切れから募集終了を推定したり、古い募集ページの文言だけで受付中と判断したりしないようにします。
次に確認すること
まず候補を一つ選び、最初の締切と必要な資料を確かめてください。用途を比較するときは、一次資料で確認した廃校活用7事例と、応募前の確認事項も参考になります。他施設で活用されていることと、自分の計画で採算が合うことは分けて検討します。
掲載情報の訂正や、自分の案件について整理したいことがある方は、相談内容と受付案内をご確認ください。
確認範囲:2026年10月8日に、上記6自治体の案内、柳川市の結果公表、文部科学省の一覧案内を確認しました。添付資料まで確認したものは本文に直接リンクしています。本記事は応募の可否や事業の採算を保証するものではありません。応募資格・手続き・契約条件は各自治体の最新版で、建物・法令・税務等は関係窓口や専門家に確認してください。
応募を考える前に読んでおきたい解説
募集ページを読むときに、あわせて確認することを、条文や自治体の要項を原本で読んで整理した記事です。
- 廃校の公募に個人でも応募できる?|要項で見る3つの場所:応募資格・提出書類・審査項目の読み方
- 廃校を借りるといくらかかるのか|費用は4つの層に分かれている:費用の全体像
- サウンディング型市場調査とは|公募との4つの違いと、何を聞くべきか:公募の手前の「対話」の使い方
- 廃校の現地見学で何を見るか|現状有姿で引き渡される前の確認点:見学の扱いと確認する5点
- 廃校活用の「財産処分手続」とは|契約前に自治体へ聞く5つのこと:国の手続と契約時期・価格の関係
- 廃校の用途変更と建築基準法|確認申請が要る・要らないの分かれ目:用途を変えるときの建築確認
気になる募集が見つかったら、応募や事前対話の申込みの前に、費用・用途・撤退ラインを20項目で確かめておくと、締切直前に慌てずに済みます。
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