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  • 兄弟で相続した実家を貸す前に|名義と契約で止まる2か所と進める順番

    相続した実家を貸したいのに、「誰の名義で契約するか」「どの契約にするか」で止まっている——このご相談が減りません。

    相続登記は2024年4月から義務になりましたが、登記を済ませたからといって賃貸契約まで一直線に進むわけではありません。特に兄弟で相続して共有名義になった場合、決めるべきことが絡み合います。名義が曖昧なまま借り手を探すと、契約書の段階で署名者をめぐって止まります。

    この記事では、何が止まっているのかどの順番で決めるべきかを整理します。

    まず確認するのは相続登記が済んでいるか

    2024年4月1日から相続登記は義務になりました。相続を知った日から3年以内に登記しなければ、正当な理由がない場合は10万円以下の過料の対象になり得ます。

    ただし相続登記と「賃貸に出す」は別の手続きです。登記を急ぐ本当の理由は過料ではなく、登記簿の所有者を確定しないと、その後の契約が宙に浮くことにあります。

    共有名義だと「誰が貸主か」が決まらない

    兄弟3人で相続して、実家が3人の共有名義のまま——という案件をよく見ます。ここで最初に浮上するのが「賃貸借契約の貸主を誰にするか」です。

    兄弟全員が契約書の署名欄に並ぶのか。1人が署名して他は同意書の形にするのか。持分に応じて分けるのか。どれを選ぶかは、「いつまで貸すつもりか」という出口の計画で変わります。

    貸す期間で、必要な同意が変わる

    共有物の賃貸は、期間によって法律上の扱いが分かれます。短期の賃貸(建物なら3年以内の借家契約など)は「管理行為」として共有者の過半数の同意で足りる場合があり、長期の賃貸は「処分行為」として全員の同意が必要になる場合があります。

    ただし線引きは一律ではありません。具体の判定は法務局か、司法書士・弁護士に確認してください。ここを曖昧にしたまま進めると、借り手が付いても契約書の署名者が決まらず前に進めなくなります。

    普通借家か、定期借家か

    名義が決まったら、契約の種類を選びます。

    普通借家は、期間が満了しても借り手が希望すれば更新されます。貸し手の都合だけでは終わりません。長く貸すつもりで、売る予定がない場合に向きます。

    定期借家は、契約期間の満了で必ず終わります。更新はありません。ただし書面での契約と、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に「更新しない」旨を通知することが要件です。

    相続した実家は「いずれ売るかもしれない」「自分たちが戻るかもしれない」というケースが多く、その場合は定期借家が向きます。期間が来たら確実に取り戻せるからです。出口から逆算して契約を選ぶ、というのがここでの判断です。

    実務の順番——4ステップ

    • ① 相続登記を済ませる——期限は相続を知った日から3年。時間があっても、この段階で登記簿を確認しておくことが土台になります
    • ② 共有なら、兄弟間で1枚の覚書を書く——「誰が実務を担当するか」「家賃の分け方」「修繕費の負担」「普通借家か定期借家か」の4点。口約束にしない
    • ③ 契約の種類を決める——普通借家なら長期運用の計画、定期借家なら取り戻す時期を見通す
    • ④ 管理会社に出す——相続人が地元にいない場合は現実的な選択です。契約書の作成や更新手続きを代理してくれるかを、事前に確認します

    この4つが抜けたり前後したりすると、契約書ができても署名の段階で止まります。時間が掛かっている案件は、たいていここでつまずいています。

    よくある質問

    Q1. 相続登記がまだでも、借り手を探していいですか?

    探すこと自体は問題ありませんが、登記簿の所有者が確定していないと契約の段階で止まります。募集と並行して登記を進めるか、登記を先に済ませるかは、手続きにどれくらいかかるかを司法書士に確認してから決めてください。

    Q2. 共有の場合、管理会社とは誰が契約しますか?

    覚書で決めた貸主役の方が契約するのが一般的です。ただし共有物の賃貸である旨を明示し、他の共有者の同意が取れていることを書面で残しておきます。具体的な進め方は管理会社に相談してください。

    Q3. 普通借家だと借り手が出て行かなくなりますか?

    普通借家は更新が続きます。将来取り戻したいなら、最初から定期借家で期間を決めるほうが明確です。長く貸し続けるつもりなら普通借家で問題ありません。出口の計画で選んでください。

    Q4. 法務局に聞けば全部わかりますか?

    法務局は相続登記の手続きについて相談できます。ただし共有物の賃貸が「管理行為か処分行為か」という法律判断は、司法書士や弁護士のほうが確実です。共有者が多い、連絡が取れない人がいる、といったケースは最初から専門家に相談してください。


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  • 実家を貸すなら、直す前に借り手を探す|先にリフォームすると回収が10年を超える理由

    なぜ「先に直す」と間に合わなくなるのか

    実家や空き家を貸すとき、ほとんどの人が同じ判断を迫られます。「今すぐリフォームして借り手を探すか、それとも現況のまま貸すか」。

    結論から言うと、先にリフォームすると、たいてい資金が先に尽きます。工事代金の回収に10年以上かかるか、あるいは最後まで埋まらないか。この記事では、なぜそれが起きるのかと、防ぐには何を先にすべきかを書きます。

    「先に直す」が失敗する3つの理由

    1. 工事の内容は、借り手が決まるまで確定できない

    同じ建物でも、住居として貸すのか、事業用の事務所にするのか、人が集まる場所にするのかで、必要な工事は大きく変わります。

    特に問題になるのが建築基準法上の用途変更です。住居から事業用途に変える場合、内装だけでなく建物そのものの基準を満たす必要が出ることがあります。消防設備・避難設備の追加が求められる場合もあります。

    これらの要否は自治体の建築部局と消防に確認しないと分かりません。借り手が決まる前に工事を始めると、「おそらく住居だろう」で進めてしまい、後から事業者が決まったときにやり直しが発生します。

    2. 空室の時間が、回収年数に上乗せされる

    工事を終えた日から、お金が戻ってくるわけではありません。借り手が実際に入った日から回収が始まります。

    例(金額は計算の形を示すための仮の値です):工事に300万円かかり、月5万円で借りてくれる人がいるとすると、単純計算では60ヶ月=5年で回収できます。ただし工事が終わってから3ヶ月空室だったら、その3ヶ月は何も生みません。回収年数は5年3ヶ月になり、空室が続けば6年、7年と伸びていきます。

    その間も、固定資産税や火災保険料などの維持費は出続けます。

    3. きれいになった建物は、値下げが難しい

    心理的な話ですが、実務では本当に効きます。500万円かけて直した建物を月4万円で貸す決断は、心理的に難しい。「これだけかけたのだから」という気持ちが働いて、埋まらない賃料で待ってしまう。待っている間も維持費は出ています。結果として「安く貸すくらいなら貸さない」に陥りやすくなります。

    正しい順番——5つのステップ

    不動産と金融の実務15年、物件デューデリジェンス30件超を通じて使っている順序です。

    • 1. 現況のまま、借り手候補に見せる——汚くてもかまいません。目的は「この状態で使ってくれる人がいるか」を確かめること
    • 2. 候補から条件を集めて、用途を1つに絞る
    • 3. その用途に必要な工事だけを見積もる——ここで初めて建築部局と消防に確認する
    • 4. 工事金額と賃料で回収年数を計算する
    • 5. 合わなければ「直さない」を選ぶ——回収年数が10年を超えるなら、直さずに済む使い道(資材置き場・駐車場・倉庫など建物の状態に依存しない用途)か、売却に切り替える

    5番目が抜けている案件が多いです。「直さない」は失敗ではなく、1〜4を回した結果として正当な結論になり得ます。

    借り手の実在を確かめる方法

    「現況で見せる相手がそもそもいない」という声をよく聞きます。それ自体が大きな情報で、その地域に需要がない可能性が高いということです。

    調べ方のひとつは、自治体が出している公募やサウンディング(民間から意見を募る手続き)の資料を実際に開くことです。応募がゼロで終わった案件の条件を読むと、その地域で「通らない条件」が見えてきます。公開情報なので誰でも同じ方法で調べられます。

    よくある質問

    Q1. 借り手探しはどこに頼めばいいですか?

    地域の賃貸仲介業者に「こういう物件があるが心当たりはあるか」と打診するのが最初の一歩です。1社だけでなく複数の窓口を試してください。

    Q2. 現況で見せるのが恥ずかしい場合は?

    そこが分岐点です。「この状態でも使ってくれる人」がいるかどうかで、その物件の本当の価値が決まります。恥ずかしさを理由に先に直すと、その費用を誰が負担するのかが曖昧なまま進んでしまいます。

    Q3. 回収に10年を超えたら、貸してはいけないのですか?

    「必ずダメ」ではありませんが、実務では警告信号として扱います。10年待つ間に建物は劣化し、追加の修繕が出ます。所有者側の事情も変わります。10年を大きく超える計画なら、直さない・売る・別の使い道を探すという選択肢を真剣に検討してください。

    Q4. 自治体の公募・サウンディングはどこで見つかりますか?

    市区町村のホームページを「空き家」「活用」「募集」などで検索すると関連ページが出ることが多いです。担当課に直接「最近の募集案件はあるか」と聞くのも有効です。


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  • 実家をどうするか決められないとき、先に置く3つの数字|売る・貸す・解体の分岐

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    実家が空いた。あるいは、そろそろ空きそうだ。

    売るか、貸すか、解体するか、何かに使うか。この4つを同時に考えると、たいてい決まりません。決める前に、先に3つの数字を置いてください。その3つが出ると、選択肢は自動的に2つまで減ります。

    決まらない理由は情報不足ではなく、順番が逆になっていることがほとんどです。

    なぜ決まらないのか——用途から入っているから

    多くの人はまず「何に使えるか」を考えます。カフェにできないか、民泊にできないか、地域の集まりの場にできないか。アイデアから入る。

    実務の順番は逆です。先に置くべき数字が3つあり、それが出てから用途を考えると、選べる道は勝手に絞られます。

    ① 何もしなかった場合、1年でいくら出ていくか

    固定資産税、火災保険、電気と水道の基本料、草刈りや点検を人に頼む費用。遠方なら年に数回の交通費。これらを全部足して1年あたりの金額を出します。多くの実家で年に十数万円から数十万円になります。5年放置すれば、その5倍が確定で出ていきます。

    項目 年額(自分の物件で記入) 調べ方
    固定資産税 毎年届く課税明細書
    火災保険 保険証券の年払額
    電気・水道の基本料 検針票(使っていなくても基本料はかかる)
    草刈り・点検を人に頼む費用 地元の業者やシルバー人材センターに見積もり
    交通費(遠方の場合) 年に何回行くか × 往復
    合計=1年で出ていく額 これが「決めない」の値段

    こちらで金額を例示しないのは、物件によって桁が変わるからです。都市部か過疎地か、敷地が広いか、遠方かで合計は大きく違います。自分の書類を見て埋めてください。

    決めないことにも値段がついています。無料で待つのではなく、毎年お金を払って待つことになります。

    ⚠️ 建物を解体して更地にすると、住宅用地の特例が外れて土地の固定資産税が上がる場合があります。金額は自治体と土地の条件で変わるので、必ず自分の課税明細と自治体の窓口で確認してください。ネットで見た倍率で計算すると後で合わなくなります。

    ② 借り手・買い手が実際にいるか

    これが2番目です。用途より先に来ます。

    貸す場合の調べ方

    • その市区町村の賃貸ポータルで、同じくらいの広さ・築年数の物件を検索する
    • いま何件出ていて、いくらで、いつから載っているかを見る
    • 3ヶ月前から載り続けている物件が並んでいるなら、その価格帯では借り手が付いていない

    売る場合の調べ方

    • 国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で、物件のある地域を調べる
    • 売り出し価格ではなく成約価格(実際に取引が成立した価格)を見る

    ここで「近隣に借り手・買い手がいない」と分かったら、①の金額と合わせて売却か解体が現実的な線として浮かびます。条件次第でいそうなら③に進みます。

    ③ 使える状態にするのにいくらかかり、何年で戻るか

    外から見えない4項目

    雨漏り、シロアリ、給排水、電気。この4つは外から見て分からないのに金額が大きい項目です。見積もりを取る前に「たぶん200万くらい」で話が進んでいる案件は、実際に開けると倍になることが多い。この4項目は必ず専門家に見てもらってから金額を置いてください。

    回収年数で成立を判断する

    ②で見た賃料の実勢に対して、直した費用が回収できる年数を割り算します。

    例(金額は計算の形を示すための仮の値です):直す費用が300万円、月賃料が8万円なら、年間の回収は8万円×12ヶ月=96万円。回収年数は300万円÷96万円=約3.1年。

    10年を大きく超えるなら、その用途は成立していません。持ち主の年齢や、次の世代に渡すかどうかによっては、7年でも長い場合があります。

    3つを置いた後の分岐

    ① 年額 ② 借り手・買い手 ③ 直す費用 現実的な選択
    大きい いない 売却か解体を先に検討(待つコストが大きい)
    大きい いる 高い 売却を検討(直す費用と年額のバランスが悪い)
    小さい いる 見合う 貸す。直すかどうかは③の回収年数で決める
    特定の用途にだけいる(事業者・団体) ここで初めて活用の企画が意味を持つ

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    よくある質問

    Q1. 更地にすると税金は本当に上がりますか?

    住宅用地の特例が外れて上がる場合がありますが、いくら上がるかは土地の条件と自治体で変わります。課税明細を持って自治体の窓口で確認してください。

    Q2. ネットで見た相場は当てになりますか?

    売り出し価格は参考値です。見るべきは成約価格と、いま載っている物件の掲載期間。3ヶ月以上載っている物件があるなら、その価格では動いていないという合図です。

    Q3. お金をかけずにどこまでできますか?

    ①と②は無料でできます。課税明細は手元にあり、賃貸ポータルと不動産情報ライブラリは無料です。費用がかかるのは③の見積もりからで、それも複数社から取るのが前提です。

    Q4. どのくらいの期間で判断すればいいですか?

    ①は手元の書類ですぐ出ます。②も調べるだけなら数日です。時間がかかるのは③(見積もり)と、家族の合意です。迷いが長引いているときは、判断材料が足りないのではなく、家族の意思が確認できていないことが多いので、そちらを先に片付けてください。

    あわせて読む

    実家より規模の大きい遊休不動産(廃校・空き施設)については、判断の型は同じですが、行政の条件が絡みます。


    自分の物件で①〜③を置いたうえで、手を挙げる前に潰しておく20項目をまとめています。
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    実家・空き家の判断でよく一緒に読まれる記事

  • 相続した実家を売るなら3年目の年末まで|空き家3000万円控除の要件と期限

    相続した実家を売る予定なら、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度があります。ただし要件が細かく、多くの人は2つの分岐で落ちます。ひとつは売る期限。もうひとつは一度貸すと使えなくなることです。

    この記事は、自分がこの制度を使えるのかを判定できるように書いています。根拠は国税庁タックスアンサー No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」です。

    自分の物件は対象か——7つの要件チェック

    次の要件を満たすかどうかで決まります。1つでも外れると、この控除は使えません。

    • ① 昭和56年5月31日以前に建築された家屋か(区分所有建物=マンションは除外)
    • ② 相続開始の直前、被相続人が一人で住んでいたか
    • ③ 相続の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売るか(詳しくは次章)
    • ④ 売却代金が1億円以下か
    • ⑤ 売るまで事業・貸付・居住に使っていないか——ここが最大の落とし穴。相続後に貸すとこの制度は使えなくなります
    • ⑥ 売却時に耐震基準を満たすか、解体して土地だけで売るか2024年1月1日以後の譲渡は、売却後翌年2月15日までに買主が耐震改修・解体した場合も対象)
    • ⑦ 相続人が3人以上の場合は、控除額が1人あたり2,000万円になる(通常は3,000万円)

    期限の逆算——「3年目の年末」の正しい読み方

    要件③が一番わかりにくいところです。「3年以内」ではありません。3年を経過する日が属する年の、12月31日までです。

    例:相続が2024年5月15日だった場合

    • 3年を経過する日=2027年5月15日
    • その日が属する年の12月31日=2027年12月31日が期限

    つまり3年を過ぎた2027年6月でも、その年の12月31日までなら間に合います。逆に2028年1月1日以後は使えません。ここを「3年以内」と誤解すると、まだ間に合うのに諦めることになります。

    ただし実務では、契約から引き渡しまで1〜2ヶ月かかることが多いので、年末ぎりぎりを狙わず、売却活動は秋口から動くのが安全です。

    「貸す前に、売却を一度だけ真剣に検討する」順番

    要件⑤のとおり、一度貸すとこの控除は外れます。空き家にしておくと家が傷むので「とりあえず貸そう」と考えるのは自然ですが、順番としては逆です。

    1. まず売却を検討する——控除が使える間に、売る選択肢が本当に無いかを確認する。税額の試算は税理士に依頼して、手取りを把握する
    2. 売却が成立しない理由が明確な場合だけ、賃貸を検討する——手取りが合わない、買い手の見込みがない、など
    3. どちらも難しい場合に、活用や解体を考える

    この順番を飛ばして先に貸してしまうと、後から「売った方がよかった」と気づいても戻せません。

    必要な書類——被相続人居住用家屋等確認書

    確定申告でこの控除を使うには、市区町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」が必要です。

    • 市区町村の担当窓口に、確認書が必要である旨を伝える
    • 自治体が指定する書類(戸籍関係の書類など)を用意する。何が必要かは自治体ごとに違うので、必ず窓口で確認する
    • 交付までにどれくらいかかるかも自治体によって違う。年末期限が近いなら、売却活動と並行して早めに動く
    • 売却した翌年の確定申告で、この書類を添付する

    よくある質問

    Q1. 売却代金から税額を計算できますか?

    この記事では税額の試算は書きません。控除後の税額は取得費や他の特例との組み合わせで変わるためです。売却価格が見えた段階で、税理士か税務署に「この価格でこの特例を使うといくらか」を聞き、そこから手取りを逆算してください。

    Q2. 耐震工事をしてから売れば対象になりますか?

    売却時に耐震基準を満たしていれば対象です。解体して土地だけで売る方法もあります。2024年1月1日以後の譲渡は、売却後翌年2月15日までに買主が耐震改修または解体した場合も対象になりました。どの方法が要件を満たすかは物件ごとに違うので、着工前に税理士と建築士に確認してください。

    Q3. 相続人が3人以上のとき、控除はどうなりますか?

    相続人が3人以上の場合、控除額は1人あたり2,000万円になります(通常は3,000万円)。誰がどう申告するかは相続登記や売買契約の当事者によって変わるので、税理士に確認してください。

    Q4. 相続から2年11ヶ月で売れば間に合いますか?

    間に合います。期限は「3年を経過する日の属する年の12月31日」なので、期限は必ず「相続から3年後」より後ろに来ます。むしろ注意すべきは逆方向で、3年を過ぎていても、その年の12月31日までなら使えるという点です。自分のケースの正確な期限は税理士か税務署で確認してください。

    制度の細部は年度で変わります

    この記事の内容は国税庁タックスアンサー No.3306 の範囲で書いています。2024年1月1日にも改正されたばかりで、今後も変わり得ます。最新の要件は必ず国税庁の該当ページと税理士で確認してください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の判断は専門家にご相談ください。


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    実家・空き家の判断でよく一緒に読まれる記事

  • 空き家の固定資産税は本当に6倍になるのか|残しても特例が外れる新ルール

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    「空き家は残しておくと、解体して更地にするより固定資産税が安い」

    この話、半分は本当です。ただし残しておけば必ず安いまま、ではありません。2023年12月から新しい区分が加わり、放置しているだけで特例が外れる場合が出てきました。

    この記事は、検索で「6倍」という数字を見た人が、自分の物件で実際に何が起きるかを判定できるように書いています。

    「6倍」の本当の意味──特例が外れるということ

    人が住んでいる家がある土地には税務上の優遇があります。「小規模住宅用地」の特例で、固定資産税の課税標準が6分の1に圧縮されます。

    仕組みを数字で見ます。ここから先の金額は、計算の形を示すための仮の値です(実際の評価額は物件ごとに違います)。仮に課税標準の元になる額が60万円だとすると、特例が効いている間は6分の1の10万円として扱われます。

    建物を解体して特例が外れると、課税標準はフルの額に戻ります。先ほどの仮の値なら、10万円で計算されていたものが60万円で計算される。これが「6倍になる」と言われる中身です。税額そのものが6倍になると決まっているわけではありません。

    「6倍」はあくまで理屈上の数字

    実際にいくら上がるかは物件ごとに違います。理由は4つ。

    • 土地の評価額——同じ面積でも都市部と郊外では大きく違う
    • 面積の区分——小規模住宅用地の優遇は200㎡まで。それを超える部分は扱いが変わる
    • 都市計画税——自治体によって課税の有無と負担が異なる
    • 自治体の負担調整措置——算定ルールが自治体ごとに違う

    自分の物件でいくら増えるかは、課税明細を見て計算しないと分かりません。確認しないまま解体して、後から「こんなに上がるなら残すべきだった」となるのが最も避けたい結末です。必ず自分の課税明細書と自治体の窓口で実際の増加額を確認してください。

    残しても安いとは限らない——2023年12月からの新ルール

    2023年12月に空家等対策特別措置法が改正され、「管理不全空家」という区分が加わりました。これまでは「建物があれば特例が使える」でしたが、いまはその建物が管理されているかどうかも見られます。

    自治体から管理不全空家に指定されて勧告を受けると、解体していなくても住宅用地の特例が外れる場合があります。つまり「残す=安い」は、管理している間だけの話になりました。

    判定基準は自治体によって異なりますが、一般的には次のような状態が該当します。

    • 雨が降ると壁から水が流れ出ている
    • 雑草が隣の敷地に越境している
    • 郵便物が積み重なったままになっている
    • 窓が開きっぱなしで動物が出入りしている

    「税金が安いから残す」と決めたまま放置すると、指定されて税金は上がり、建物の傷みは進み、解体費も上がります。残すなら通風・草刈り・郵便物の確認という最小限の管理を続けることが前提になります。

    解体するなら、見積もりの前に2つ

    1. アスベスト調査の要否を確認する

    2006年以前に建てられた建物には、断熱材や天井裏に吹き付けアスベストが使われている可能性があります。含まれていると解体の手順が変わり、専門業者による除去が必要になって費用が大きく変わります。

    まず自治体の担当課や建築士に「この物件にアスベスト調査が必要か」を聞いてください。要否の判断は物件ごとに違うので、自分で決めずに窓口で確認します。必要と言われたら、調査を先にやってから見積もりを取ります。

    2. 見積もりは2社以上から書面で取る

    解体費は建物の構造・床面積・地盤・アスベストの有無・重機が入りやすいかで大きく変わります。1社だけ取って相場だと思わず、必ず2社以上から書面で取ってください。

    自治体によっては老朽空き家の除却に補助を用意しているところがあります。ある自治体とない自治体があり、条件も異なるので、見積もりと合わせて窓口で確認してから判断します。

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    判断の分岐——3つのケース

    ケース 確かめ方 次の一手
    借り手や買い手がいる 同条件の物件の募集状況と成約価格を見る 残して貸すか売る。直す場合は回収年数で判断
    借り手はいないが土地に買い手がいる 土地としての価格を確認 解体して土地で売る。年間の維持費と増税分を相殺する年数を出す
    どちらもいない 周辺の需要を確認 管理しながら時間を買う(通風・草刈り・郵便物)

    3番目の「時間を買う」は、地域の需要が変わるのを待つ、相続の世代交代が進むのを待つという意味です。いくらかかるかは遠方かどうか・敷地の広さ・人に頼むかで変わるので、実際に見積もって年額を出してください。

    よくある質問

    Q1. 兄弟で相続して管理でもめています。税金が上がるなら売るべき?

    税金だけでは決まりません。土地に買い手がいるか、名義と分割協議が済んでいるかが先です。共有名義のままだと売却も賃貸も進まないので、司法書士に相談して名義を確定させてから数字の話に入ってください。

    Q2. 親が生きている間に売るのと、相続してから売るのとで違いますか?

    違います。相続した空き家を売るときには譲渡所得の特別控除が用意されていますが、期限や建築年などの要件があり、生前の売却はこの制度の対象になりません。どちらが有利かは物件と時期で変わるので、税理士に事前相談してください。

    Q3. 駐車場にすれば管理不全を避けられますか?

    建物を解体して駐車場にすれば管理不全の対象からは外れますが、住宅用地ではなくなるので特例の扱いも変わります。実際にどう変わるかは自治体の課税担当に確認してください。管理の手間と税額の両方で比べる話です。

    Q4. 管理を業者に頼めば、指定は避けられますか?

    通風・草刈り・郵便物の3つが続いていれば、指定される可能性は下がります。ただし判定基準は自治体ごとに違うので、心配なら自治体の担当窓口に建物の状況を伝えて、いまの状態で問題があるかを確認しておくのが確実です。

    最後に

    実家や空き家の判断は、聞き伝えの「6倍」ではなく自分の物件の数字で決めます。課税明細書1枚、同条件の物件の募集状況、自治体の補助の有無。この3つを集めるだけで判断の精度が変わります。


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